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イタリア海外駐在員だより Vol.133

最終更新日:2026年08月25日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第133回のお話しは、旅先でであえる郷土菓子についてです。

画像:チェルタルドパノラマ 

伝統郷土菓子「ストゥルーデル」に秘められた魅力


 甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)


 二十四節気において「暑さが和らぎ始める頃」と言われる処暑の候、こちらイタリアでは、まさにその如く約2か月半続いた記録的な酷暑がようやく峠を越えたように感じる今日この頃です。とはいえ、八月中はまだ夏季休暇期間にあたるイタリアでは、涼を求めて海や山に多くの人々が一斉に旅をする、この時季ならではの風物詩の光景を見聞きしています。日常の環境から離れた自然の風景に心が和み、その土地の名産物や風土をはじめ、独自の歴史的背景に深く結びついて継承されてきた食文化を秘める郷土菓子に出会える旅は、その醍醐味を満喫することだと言えましょう。そのような視点を踏まえ、イタリアを旅する際に出会える、ある土地の伝統郷土菓子に注目してみたいと思います。
 その伝統郷土菓子とは、イタリア最北端の州のオーストリアと国境を接する山岳地帯の「南チロル地方」において継承されてきた伝統の「ストゥルーデル(伊語名) 」という名のお菓子です。このお菓子は、元々オーストリア由来のもので、第1次世界大戦後に南チロル地方がイタリアに割譲される前にオーストリア領だったことに伴い、地元の人々の間でオーストリア由来の食文化が代々受け継がれ、地域に強く結びついたものと言われています。実際南チロル地方の公用語であるドイツ語においては、この郷土菓子はシュトゥルーデルと呼ばれ、「ぐるぐる巻き」という意であり、薄く伸ばした生地にりんごや松の実等を入れてシナモンで香り付けしたフィリングを「ぐるぐる巻いて」焼き上げたお菓子です。なおレシピは家庭ごとに存在するといわれるほど多様性に富んでいます。
 そんなストゥルーデルは、南チロル地方独自の歴史的背景を映すだけでなく、国内一のりんごの産地ならではの愛される郷土菓子としても、地域を代表する伝統菓子であるため、それを一つのツールとして、その土地独自の食文化の歴史やその背景について知り得ることが可能だということに、イタリアに関する知識を深める上でとても知的好奇心をそそられる私であります。


郷土菓子ストゥルーデルに出会えるお菓子屋さんの看板(南チロル地方)
車窓から見えるリンゴ畑の風景(南チロル地方)
▲郷土菓子ストゥルーデルに出会えるお菓子屋さんの看板(南チロル地方) ▲車窓から見えるリンゴ畑の風景(南チロル地方)
南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(1)
南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(2)
▲南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(1) ▲南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(2)
南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(3)
名産のりんご(南チロル地方)
▲南チロル地方の郷土菓子 ストゥルーデル(3) ▲名産のりんご(南チロル地方)


在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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