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イタリア海外駐在員だより Vol.117
最終更新日:2025年04月16日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第117回のお話しは、イタリアのエイプリルフールについてのエピソードです。
「四月の魚」とイタリアのエイプリルフール
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)
季節は進み、日本では列島を北上する桜前線に関する花だよりが溢れる頃かと思います。
こちらイタリアでも春色に包まれた野の花々が咲き、薄緑の若草に一面覆われた広大な丘陵地の田園風景が楽しめ、春風が心地よく感じられる頃を迎えています。また、間近に迫る復活祭(今年は4月20日(日))に向けて、そのシンボルのお菓子が街角のお店のショーウィンドーに飾られ、日々の日常に明るく華やかな彩りがプラスされたような感覚を覚える今日この頃です。
さてそんな四月という月は、「エイプリルフール」と呼ばれる日からスタートしますが、その日のことをイタリアでは「四月の魚」と言われることをご存じでしょうか。私はイタリアで暮らし始めた頃、この言葉の知識や由来を知らず、「なぜ?どうして?」と疑問ばかりが頭に浮かびました。俗にエイプリルフールの起源は欧州にあると言われ、グレゴリオ暦の採用に伴うフランスでのエピソードによるという説をはじめ、様々な諸説があると言い伝えられています。中でも、キリスト教の受難節の期間の最終日にあたる4月1日前後は、食事を極力制限し罪を悔い改める期間とされることから、肉は厳禁だが魚なら食すことが許されたため、カトリック教国であるイタリアでその4月1日が「四月の魚」と言われるようになったという説や、古代ローマにおけるクレオパトラと彼女と恋仲であったと言われるローマの武将マルクス・アントニウスとの魚釣りの競いに纏わるエピソードが由来だという説は、エイプリルフールと魚の繋がりを知ることができるとても興味深いものだと思われます。
伝統的にイタリアでは、エイプリルフールの日に人の背中に紙の魚を貼り付けてからかって遊び笑う、という文化がありますが、このような遊びの由来も「四月の魚」にちなんで存在するのかどうか不確かですが、イタリアのエイプリルフールには、「魚」が重要な鍵になっているということに、とても知的好奇心をそそられる私であります。
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▲春に満ち溢れる緑一面の丘陵地(1) | ▲春に満ち溢れる緑一面の丘陵地(2) |
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▲復活祭を控えたお店のショーウィンドーの様子(1)
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▲復活祭を控えたお店のショーウィンドーの様子(2)
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在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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