ホーム > イタリア海外駐在員だより > イタリア海外駐在員だより Vol.113
イタリア海外駐在員だより Vol.113
最終更新日:2024年11月26日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第113回のお話しは、稲葉さんが1年ぶりの日本滞在で遭遇した出来事から感じたことについてのエピソードです。
和洋折衷の文化に触れたエピソード
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)
季節は進み、霜月もあと僅かとなりました。こちらチェルタルドでは、日ごとに寒さが強まる中、冷たい木枯らしが吹き日一日初冬の息吹を感じる頃を迎えています。
そんな中、チェルタルド市民の憩いの場所であるボッカッチョ広場と六月二日通り(メインストリート)のリニューアル工事がようやく大詰めを迎えています。広場に立つボッカッチョの像が、長期にわたり見守り続ける大掛かりな工事の様子を見に訪れる市民の姿が日々目に留まる中、おそらく来月初頭には完成するのでは、という声を耳にします。また、もうすぐ迫るクリスマスシーズン期の到来に向けて、毎年恒例の巨大なクリスマスツリーがボッカッチョ像の傍に設置されることを期待する市民も多いのではないかと思われる今日この頃です。
さてそんな霜月の日々が過ぎる中、去る11月3日に行われた甘楽町発足65周年記念式典に参列するため、甘楽町を訪れたチェルタルド市使節団と共に私も甘楽町でお世話になり、1年ぶりに母国滞在の貴重な機会に恵まれました。久しぶりに母国の空気を胸いっぱい吸い込み、日本の風景や生活様式に触れることができ、とても有意義な滞在ができたことをありがたく思っております。一時帰国する度に触れる母国の文化がとても懐かしく思う時がある私ですが、この度の滞在において、とても新鮮な気づきを得たエピソードに遭遇しました。それは一杯のエスプレッソコーヒーに纏わることです。ある日、久しぶりにそれを飲みたくなりオーダーしたところ、トレーと共に配膳されたことです。それを見た瞬間、イタリアのバールで日々飲むエスプレッソとはどこか趣きを異にする様子を感じ、和洋折衷という日本ならではの文化を映しているのではないかと気づいた私であります。イタリアと同じような小さいカップに注がれた濃いエスプレッソなのに、日本ならではのトレーの上にあることがとても新鮮でフォーマルだなと感じた一方で、和と洋の融合と調和の美をも感じました。
そんな美を大切にする和洋折衷の文化が息づく母国・日本において、今後もその素晴らしい文化が在り続け、時代を超えて継承されるよう願うばかりです。
![]() |
![]() |
▲リニューアル工事が進むボッカッチョ広場の様子 | ▲ボッカッチョの像が見守るリニューアル工事中の広場 |
![]() |
![]() |
|
▲ボッカッチョ広場に敷き詰められていた石を再利用(六月二日通り)
|
▲和と洋の融合と調和
|
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
このページへのお問い合わせ
産業課 商工観光係
住所:〒370-2292 群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡161-1
電話:0274-64-8320
ファクス:0274-74-5813