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イタリア海外駐在員だより Vol.112
最終更新日:2024年10月16日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第112回のお話しは、日本とは異なるイタリアの大学卒業シーズンについてのエピソードです。
ローリエの冠とそれを頂く人
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)
こちらチェルタルドでは、秋冷が爽やかに感じられる好季節が到来し、清々しい秋晴れの空と秋色に色づき始めた木々の葉の美しい自然風景を楽しめる今日この頃です。
そんな日増しに秋深まる10月は、イタリアでは実は大学の卒業シーズンでもあります。とはいうものの、イタリアのそのスタイルは日本のと大きく異なるため、異国の文化をダイレクトに感じることができます。その理由は、一学年度に複数回( 例:10月、12月、4月、7月)卒業のチャンスが設けられていることや進級や卒業に影響を及ぼす必修科目試験(各科目筆記及び口頭試問)に合格することの厳しさや困難さのため、同期に入学した学生の間で、卒業できる時季が一定ではないこと等によると言われています。そのように厳しい大学での勉学を修め、見事に卒業の栄光を獲得したイタリアの大学生は、卒業最終成績宣言の式後に、ある冠を頭に被り、式に参列した家族や親しい友人たちから大きな祝福を授かります。その冠とはまさに「ローリエの冠」。古代ギリシャ時代に文化芸術やスポーツの分野において特に優れた者に贈られ、彼らが英知の象徴とされるローリエの葉で作られた冠を頭に被り、栄光の勝利を称えられたという伝統が時代を超えて継承されており、今日においてもその冠は、大学という学問の最高研究機関において優秀な知を修めた者が頂くまさに栄光と名誉の象徴とされています。
先日10月9日に、シエナ外国人大学において卒業セレモニーが行われ、ローリエの冠を頂きそれを頭に被った卒業生の姿を見ました。
参列した家族や親しい友人達に祝福され、色鮮やかなコリアンドリ(紙吹雪)が舞うフェスタの光景がとても美しく映りました。これまでの努力が実り、見事に「ラウレアート(Laureato ) = 学士を修めた人」という栄光の勝利を獲得した若き卒業生たちが、明るい希望に満ちた未来を切り開く道を歩むよう願うばかりです。
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▲ローリエの冠を頂く人 | ▲栄光と名誉の象徴・ローリエの冠 |
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▲祝大学卒業 ! 舞う紙吹雪と共に
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▲大学卒業セレモニーの様子
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▲大学卒業を祝う様子(1) | ▲大学卒業を祝う様子(2) |
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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