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イタリア海外駐在員だより Vol.110
最終更新日:2024年08月27日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第110回のお話しは、南イタリア・カンパーニア州にある世界遺産のぺストゥム遺跡についてのエピソードです。
古代「大ギリシャ」時代と現在の交流 ~世界遺産・ぺストゥム遺跡~
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)
八月も末となり処暑の頃となりましたが、こちらチェルタルドでは稀にみる酷暑に今なお見舞われており、つい冷えたスイカが食べたくなる今日この頃です。イタリアは、そんな八月ながらやはり夏休暇シーズンであることに変わりはないこともあり、多くの人々が海や山へ遠出した街のあちこちには、「バカンスのためクローズ」という告知の紙が貼られた、閉ざされたシャッターのお店が目に留まる時季でもあります。さてそんな文化が息づく国・イタリアは、紀元前から流れる悠久の歴史を直に伝える古代の遺跡や世界遺産が多数現存しており、訪れる人々の心を古代ロマンへ誘う魅力的な国とも言われています。今回は、主人の夏休暇中に先日訪れた世界遺産である古代「大ギリシャ」時代にそのルーツを遡る都市「ぺストゥム」の遺跡について、少しご紹介したいと思います。
▲ぺストゥム遺跡の様子(1) | ▲ぺストゥム遺跡の様子(2) |
▲遺跡の入り口へ続く道・「大ギリシャ通り」
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その遺跡は、南イタリア・カンパーニア州のナポリの南東約100キロメートルにあり、ギリシャ人による植民地都市の建設がさかんであった紀元前6世紀頃に築かれた古代大ギリシャの都市遺跡で、修復無しに当時のそのままの姿を今に伝え続けていることで有名です。また、豊かな自然が広がる平野に囲まれ、全長約5キロメートルに渡る壁が続く遺跡には、巨大な3つのギリシャ神殿の遺跡が現存し、大きな円形劇場跡や温泉跡をはじめ多くの建物の遺構が残っています。いざ足を踏み入れて間近で目視すると、それらの威厳さと壮大さに思わず息を呑むほどで、当時暮らしていた先人たちの声なきメッセージが伝わってくるように感じられます。古代ローマが繁栄する遥か昔に栄えた大ギリシャ時代の富と繁栄の足跡を辿ることができるこのぺストゥムの遺跡は、現代人が古代ロマンに想いを馳せながら、永い時を超えた古代と現在の交流が可能となる貴重な歴史の遺産と言えるでしょう。
▲ネプチューン神殿(見学メインスポット1 ) | ▲ネプチューン神殿内の様子 |
▲ヘラの神殿(見学メインスポット 2 ) | ▲ケレース(他母神)の神殿(見学メインスポット 3 ) |
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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