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イタリア海外駐在員だより Vol.109

最終更新日:2024年07月29日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第109回のお話しは、チェルタルド市の夏のフェスティバル「メルカンツィーア」とアルプスの南チロルの伝統ソウルフードについてのエピソードです。


画像:チェルタルドパノラマ 

カネーデルリ ~イタリア最北端・南チロル地方のソウルフード~

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)


 
 ネットニュースにおいて、日本各地で連日記録的な猛暑が続いている状況を見聞きしている中、いかがお過ごしでしょうか。
こちらチェルタルドでは、毎年7月に欠かせない一大フェスタ「第36回メルカンツィーアフェスティバル」が7月17日から21日までの5日間にわたり開催されました。フェスタの舞台である小さなアルトの集落を埋め尽くすほどの人々が連日訪れ、イタリア国内外から参加した有名なアーティスト達による芸術パフォーマンスが熱狂的な雰囲気に包まれた中上演され、今年も盛会をおさめました。

 

第36回メルカンツィーアフェスティバルの様子(1)
第36回メルカンツィーアフェスティバルの様子(2)
▲第36回メルカンツィーアフェスティバルの様子(1) ▲第36回メルカンツィーアフェスティバルの様子(2)


 さてそんなとても熱くて暑い7月ですが、今月上旬に4年ぶりに娘と共に、イタリア最北端に位置するオーストリアとの国境を接するアルプス地方である、ボルツァーノ自治県・南チロルを訪れました。それゆえ、滞在中に出会った「カネーデルリ」というその地方のソウルフードの一品についてご紹介したいと思います。その一品は、硬くなったパンを捨てることなく活用するという昔の人の知恵に基づき、牛乳に浸して柔らかくしたパンに卵やチーズをはじめ南チロル地方の特産品であるスペック(燻製生ハム)等を加えて団子状に形を整えて作られます。そしてそれを茹でたり、ブイヨンスープに浸したりして食される代表的なプリモピアット(一皿目の料理)であります。今でこそ、レストランのメニューに欠かせない料理ですが、元々は家庭料理の一品であるというルーツをもつことから、そのレシピは多様性に富んでいると言われています。またさらに興味深いことに、硬くなったパンを再活用して生み出される料理は、その土地ごとの伝統的かつ特色的な郷土料理の一品としてイタリアの各地方に存在します。(例:トスカーナ州のパンのサラダ等)それ故、そのようなソウルフードを介して、地方色豊かなイタリア料理の魅力と伝統食文化の奥深い背景を知ることができる事に、知的好奇心をついそそられる私であります。

カネーデルリ(南チロルのソウルフード)
雄大なアルプスの風景
▲カネーデルリ(南チロルのソウルフード) ▲雄大なアルプスの風景
南チロル地方のパノラマ(2)
南チロル地方のパノラマ(2)
▲南チロル地方のパノラマ(1) ▲南チロル地方のパノラマ(2)

 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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