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イタリア海外駐在員だより Vol.107

最終更新日:2024年05月24日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第107回のお話しは、「フィエーゾレ」というフィレンツェ郊外にある丘の上の町についてのエピソードです。


画像:チェルタルドパノラマ 

「フィレンツェの母」と称される丘の上の古都・フィエーゾレ

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)


 
 清々しい若葉が眩しい初夏の日差しに輝き、風薫る爽やかな季節を迎えました。こちらチェルタルドでは、日々の暮らしにおいて地元の特産野菜である、ほんのりスミレ色に色づいたフレッシュな葉付きの玉ねぎが登場し、それを見る度初夏を実感している私であります。また最近、街角に設置された大きな掲示板に選挙ポスターが掲示された光景が目に留まり、来月上旬に迫った総選挙に向けた動きが加速しているように感じられる今日この頃です。

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▲チェルタルドならではの「初夏」を感じる特産品



 さてそんな中、先日一度見学したいと思っていた「フィエーゾレ( Fiesole ) 」という町を訪れました。その町は、チェルタルドから北東へ約数十Km離れたところにありますが、フィレンツェからバスで約30分程の郊外にある丘の上に築かれた小さな町なので、多くの人が気軽にプチ観光に訪れたり、夏はフィレンツェから涼を求めに人々が訪れる地でもあります。フィエーゾレは遥か古代の昔、紀元前3世紀頃に当時繁栄していたエトルリア人の拠点の一つとして栄え、やがて紀元前90年頃にローマ人の町になったと言われています。それ故、フィレンツェより古い町の起源と繁栄の歴史を持つことから、「フィレンツェの母」と称される由緒ある古都としての顔を持つ町としても知られています。

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▲フィエーゾレの街並み ▲中心ロータリーの様子(フィエーゾレの玄関口)
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▲糸杉の丘の町・フィエーゾレ

 

 主な観光スポットは、中心広場の脇にそびえ立つ中世ロマネスク式大聖堂やローマ時代の劇場跡( BC 1世紀頃)等が存在しますが、中でも大聖堂の横から続く急な細い坂道を上った、丘の頂上にある小公園から一望できるフィレンツェの市街地のパノラマは、一見に値する美しさと言えましょう。その坂道を登っていく際、あまりの急な上り坂のために意気消沈しそうになりますが、頑張って登った先に心が感動で満たされる絶景スポットであります。フィレンツェの都会ならではの喧騒から離れ、糸杉とオリーブが点在する詩情に富んだ風景の中の静寂な世界が広がる丘の上に築かれた町・フィエーゾレ。悠久の歴史と紀元前の時代のロマンが息づく古都は、今後もその由緒ある伝統と美しい景観の魅力を継承していくと共に、地元フィレンツェっ子の避暑地としても愛されるまちとして在り続けることでしょう。

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▲ローマ時代の劇場跡(BC 1世紀頃) ▲フィエーゾレの大聖堂
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▲フィレンツェ市街地のパノラマ

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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