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イタリア海外駐在員だより Vol.104

最終更新日:2024年02月26日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第104回のお話しは、イタリアの「四句節」という復活祭前の準備期間についてのエピソードです。


画像:チェルタルドパノラマ 

四句節の頃 ~復活祭前の準備期間~

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)

 季節が進む中、日増しに日の入り時刻が伸び、チェルタルドでは空から降りそそぐ日差しに暖かみを帯び始めました。また大地の丘が一面緑に覆われ、庭先のミモザをはじめ桃や杏子の花々が咲き、自然の中に広がる明るいカラーの風景に目が留まる度、春の到来の足音が聞こえてくる今日この頃です。

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▲自然の風景に映る春の到来(1) ▲自然の風景に映る春の到来(2)
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▲春の到来を告げる花・ミモザ

 さてそんな中、イタリアではそれまで続いた冬のお祭りであるカーニヴァルの期間が終わり、先日第1四句節の日曜日を迎え、文字通り「四句節」と呼ばれる期間が始まりました。四句節とはイタリア語では「クアレージィマ( =Quaresima )」、つまり40日間という一定の期間を示し、まさに復活祭が来る前の40日間という意になります。また、四句節の語源とされるラテン語の「クアドラジュ―ジィマ」は、「40番目」を意味し、元々初代教会で復活祭の前に行っていた「40日間」の断食が四句節の由来と言われています。かつて古代末期から中世時代にかけて、四句節の期間において厳格な断食をするという習慣が浸透したそうですが、現代においては「断食=肉食の断食」と解釈され、古代の昔に比べるとそれほど厳格ではないと言えます。しかし普段食べることに対して厚い情熱を注ぐイタリア人にとっては、日々の食事から肉食を断つということは、決して容易なことではないのだろうと、つい想像してしまう私でありますが、やはりカトリック教国であることもあり、四句節におけるその伝統的な習慣が一般的に継承されているのではないかと考えます。

 そんな国イタリアにおいて毎年巡ってくる復活祭は、クリスマスと共にとても重要なフェスタであると位置づけられています。その復活祭は、今年は3月31日(日)です。その日を前にした四句節の期間にあたる今、イタリアのその伝統習慣に習い私も肉食の断食にトライしてみようと思っている今日この頃です。     

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▲季節限定!ミモザをイメージしたケーキ ▲復活祭に向けて(シンボルの卵型チョコレートが登場)


在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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