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イタリア海外駐在員だより Vol.101

最終更新日:2023年11月28日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第101回のお話しは、チェルタルド使節団員の一人から、和食に対して投げかけられた質問についてのエピソードです。


画像:チェルタルドパノラマ 

「和食」に対して投げかけられたある質問


甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは! )

 気が付けば霜月も残り僅かとなり、日ごとに寒さと冷え込みが増し、名の如く「霜」が降りる初冬の頃となりました。こちらチェルタルドでは、ブドウ畑の葉々が黄色に染まり落ち葉が大地に舞う田園風景が広がる中、今年初搾りのエキストラバージンオリーブオイルがお目見えし、視覚と味覚を通して大地の恵みを満喫する今日この頃です。

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▲初冬の田園風景 ▲ある初冬の日の朝
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▲初冬の田園とチェルタルドの遠望 ▲2023年初搾りエキストラバージンオリーブオイル

   
 さて過日、甘楽町において盛大に挙行された甘楽町・チェルタルド市姉妹都市協定締結40周年記念式典及び記念行事に参列するため、チェルタルド市使節団が甘楽町を訪れ滞在しました。この度の使節団は、クチーニ市長を団長とする9名の団員のうち大半は過去に滞在経験がある人たちでしたが、初経験だった団員も若干いました。その彼らは、イタリアを出発する前から、初めて滞在する日本への期待感と共に、チェルタルド市の姉妹都市である甘楽町を訪れる希望が叶った喜びを笑顔で話してくれた程、楽しみにしているようでした。
 
 そしてある朝、宿泊先の食堂に浴衣姿で朝食をとりに来た一人の初滞在の団員が、テーブルに配膳された「和食」の朝食を目にした途端、「どのお皿の料理から食べたらいいの ? 順番が分からないから教えて!」と私に真剣な表情で質問を投げかけました。正直考えたこともなかった問いに、一瞬驚き答えに戸惑いましたが、と同時にこれは食文化の違いを映す質問ではないかと気づいた私であります。なぜならイタリア料理では、オードブルから始まり、一皿目の料理、メインディッシュ、デザートと一皿づつ決められた順番通りにテーブルに出され食すスタイルなので、それに基づく認識から、順番をつい意識してしまうがゆえに発せられた質問ではないかと思った次第であります。

 生まれ育った母国・日本の伝統的な食事のスタイルである「和食」。主食のご飯と一汁三菜、日本へ一時帰国する度食す機会があっても、日本人の私には特に意識するすることが無かった視点に、この度のエピソードは何かとても新鮮な気づきを与えてくれたとても貴重なものとなりました。


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▲和食の朝食(1) ▲和食の朝食(2)


在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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