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イタリア海外駐在員だより Vol.99

最終更新日:2023年09月04日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第99回のお話しは、姉妹都市交流40周年記念の年に、5年ぶりに相互派遣交流が再開し、姉妹都市交流の意味について、エピソードを通じて感じた心の想いについてです。


画像:チェルタルドパノラマ 

姉妹都市の意味


甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは! )


 初秋の頃を迎え、厳しい暑さもようやく過ぎ去り、秋風の心地よい時季となりました。

 9月は、イタリアでは長い夏休暇シーズンが終わり、再び様々な社会活動が始動する月であるため、街を行き交う人々の姿に活気が戻ったように感じられる今日この頃です。

 さて今夏において、コロナ禍のため長く中断されていた姉妹都市・チェルタルド市との人的相互交流が再開し、青少年による相互交流が実施されました。私はチェルタルド市在住の甘楽町海外駐在員として、第18次甘楽町中学生国際交流研修団の皆さんの受け入れに携わりました。

 青少年相互交流の再開が決まってから、徐々に国際交流に対する機運が高まっていたチェルタルド市ですが、クチーニ市長、オルシ姉妹都市交流担当、行政当局をはじめチェルタルド市国際交流推進協会の関係者やホストファミリーの皆さんが、甘楽町の中学生研修団の到着を心待ちにしていました。

 バスが到着した後、再会を待っていたチェルタルド市青年使節団員の子どもが友人のもとに駆け寄りハグする姿や、中学生研修団がチェルタルド市を出発する時に、別れを惜しみハグする両市町の子ども達の姿に、確実に芽生えた新たな友情の輪の存在を感じました。

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▲友人になった証のハグ ▲待ちわびた再会

 

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▲中世の遊び・パン投げ競争の様子
(両市町の子どもたちによる参加)


 対面式後に「朝食は和食スタイルがいいかそれともイタリアスタイルがいいか尋ねて頂けませんか」「家で過ごす中で要望があれば何でも遠慮なく言ってほしいと伝えて下さい」等、ホストファミリーのお父さんとお母さん達から私に依頼が寄せられ、受け入れた姉妹都市から来た子どものことを家族の一員のように思い、愛情を惜しみなく注ぐ温かい心に感動しました。


 また、途中体調を崩してしまった子どものことを我が子の事のように心配し、イタリア風のおかゆを作ってくれたり、早く熱が下がるよう親身になって看病してくれたホストファミリーのお母さんから「一緒に色々な場所に行ったりする楽しい思い出作りをすることはできなかったけれど、体調を崩してしまったがゆえにその過程で様々なコミュニケーションをはかることを通じて、子どもが家族のような気持ちになれたなら幸いです」と聞いた時、心の温かさに感じ入りました。

 日本とイタリアの間には、お互いの違いや遠く離れた地理的距離がある中、相手の事を心の中に思いやる気持ちの存在は、その両国間の隔たりに勝るものであり、それこそが姉妹都市の意味だと思うと話していた友人のエリーザさんの言葉を、この度の青少年交流を通じ心に留めた私であります。

 今年2023年は、甘楽町・チェルタルド市の姉妹都市協定締結40周年という記念の年。40年前に蒔かれた「一粒の麦」が豊かな実りを得た大きな穂に成長した今、交流を通じた友を心の隣人だと想い合える両姉妹都市が共に歩みながら、さらに友情の絆が深化していくよう願ってやみません。

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▲記念撮影(茂原町長様・チェ市現職市長及び歴代市長達、他) ▲姉妹都市協定締結40周年記念に捧げる贈り物

 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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