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イタリア海外駐在員だより Vol.97

最終更新日:2023年07月27日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第97回のお話しは、旬の夏野菜であるズッキーニで作る、手軽にできるメインディッシュの一品としてイタリアの夏の食卓を彩る伝統の家庭料理についてです。


画像:チェルタルドパノラマ 

夏の食卓を彩るイタリア伝統の家庭料理

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)


 大暑を迎え、厳しい暑さが続いている中いかがお過ごしでしょうか。

 こちらイタリアも連日最高気温が40度を超える酷暑に見舞われ、体力消耗気味な日々となっておりますが、その真夏の強烈な太陽の光を一身に浴びて、広大な大地を覆うように咲く元気なひまわりの畑が眼前に現れる、この季節ならではの風物詩の光景を満喫している今日この頃です。

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▲夏の風物詩・ひまわり畑(1) ▲夏の風物詩・ひまわり畑(2)


 またチェルタルドでは、先日恒例の国際ストリートシアターフェスティバル「メルカンツィーア」が盛大に開催され、第35回目となった今年は、開催期間5日間を通して約2万人の来場者数を記録したそうです。
 まさに酷暑を吹き飛ばすような盛会となり、街全体が輝くパッションに包まれたフェスティバルになったという印象を感じた私であります。
 

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▲第35回メルカンツィーアフェスティバルの様子(1) ▲第35回メルカンツィーアフェスティバルの様子(2)


 そんな真夏の時季ですが、今回は旬野菜として大量にお目見えするズッキーニで作る、イタリア伝統の家庭料理をご紹介したいと思います。それは、「ズッキーニ・リピエーネ : 詰め物をしたズッキーニ料理」と呼ばれる一品で、その由来は、質素な材料で作る農民料理と言われています。
 
 作り方はシンプルで、まずズッキーニを丸ごと茹でた後半分に切り、中身をくり抜きます。そしてそこにミートボールを作る時のように下味をつけたひき肉を詰めて、パン粉、粉チーズとオリーブオイルをふりかけてオーブン焼きにします。旬野菜なので、グリル焼きや天ぷら、おつまみスティック等にしても美味しいのですが、詰め物を入れることでシンプルな添え物の一品というより、手軽なメインディッシュとしての一品にもなりえるため、イタリアでは夏の家庭の食卓に欠かせないポピュラーな料理の一品と言われています。

 また調理の仕方や詰め物の中身については、とても地方色豊かであるという特徴があります。一般的なひき肉をはじめ、例えばシーチキン、ケッパーの実、アンチョビとゆで卵、松の実等を詰めるリグーリア地方風やチーズやハム類を詰める南イタリアのカラーブリア方風のものが知られています。またエミリア地方では、ひき肉を詰めたズッキーニをオーブンではなくトマトソースで煮込んで作ります。

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▲ズッキーニの詰め物料理(1) ▲ズッキーニの詰め物料理(2)


 私はイタリア人のベテラン主婦の友人が教えてくれた、彼女の母譲りのレシピでこの料理を作りますが、世代を超えて継承される伝統的な家庭料理の一品を食す度に、隠し味のような「マンマの味=お母さんの味」を感じる私であります。
 
 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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