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イタリア海外駐在員だより Vol.93

最終更新日:2023年03月14日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第92回のお話しは、3月8日がイタリアで「ミモザの日」と言われているので、それにちなんだ習慣等についてのお話しです。


画像:チェルタルドパノラマ 

三月八日・ミモザの日に寄せて

 甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)


 吹く風に少し冷たさの残る浅春の頃となり、虫や草花の様子に春の香りを感じる季節を迎えました。こちらチェルタルドでは、市街地の近郊に広がる広大な丘陵地が、いつの間にか茶色の大地が一面緑の草に覆われ、そこに咲く黄色い野の花が目に留まる美しい田園風景を眺める度、ふと心が和むのを覚える今日この頃です。

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▲浅春の空(チェルタルドアルト・歴史地区) ▲ミモザの花束


 さてそんな中、今年も三月八日がやって来ました。この日は、イタリアでは「ミモザの日」とされ、女性に感謝の気持ちを伝える日と言われています。そのため、男性が妻や彼女、マンマ(母親)や職場の同僚等、日ごろお世話になっている自分にとって大切な女性にシンボルのミモザをプレゼントして、感謝や尊敬する気持ちを伝える習慣があります。まさに「感謝」を花言葉に持つミモザに相応しい素敵な習慣と言えましょう。
 実に今年もミモザの日の当日は、街中にミモザを売る出店や花屋さんで溢れ、そこに立ち寄りミモザを買い求める男性(年齢問わず)の姿がイタリアの街角で見られた一日となったことでしょう。

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▲春の訪れを告げるミモザ開花の様子(1) ▲春の訪れを告げるミモザ開花の様子(2)



 さらに、ミモザをイメージしたケーキやミモザドリンク(カクテル)を味わって祝う文化もあります。まさにイタリアがミモザ一色に染まる特別の日なのです。
 またミモザはオーストラリアが原産地ですが、1800年代半ば頃にヨーロッパに渡来しました。そしてイタリアでは、実に1946年から毎年三月八日にミモザを贈ることが習慣になったと言われることから、この国におけるミモザの日の長い歴史が感じられます。

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▲ミモザのケーキ(1) ▲ミモザのケーキ(2)



 欧州において、黄色い花は寒く厳しい冬に耐えた後に咲く春の到来を告げる花と言われるようにその黄色い花・ミモザで溢れるこの日は、人々の心を幸せに満たしてくれる素敵な日。日本では、まだあまり浸透していないかもしれませんが、いつかこのような素敵な記念日として広まる時が来るよう願いたいです


 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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