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イタリア海外駐在員だより Vol.92

最終更新日:2023年01月26日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第92回のお話しは、イタリアにおいて、パスタ同様にふんだんに食されるお米にスポットを当て、それに見える食文化の違いについてのお話しです。


画像:チェルタルドパノラマ 

「お米」に見る食文化の違い

 甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)

 大寒の候、寒さが一段と厳しさを増しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 本年もイタリアやチェルタルド市にまつわる様々な情報や様子等をお伝えできる記事を発信していけるよう努めたいと思っております。引き続き本年もよろしくお願い申し上げます。

 新しい年2023年が到来しましたが、こちらチェルタルドでは、上旬頃にそれまで長く続いたクリスマスフェスタ期間が過ぎ去り、徐々に始動へと移行する中、空気の切り替わりを感じながら日々の生活を営む人々が行き交う光景を見る今日この頃です。

 さて本題ですが、イタリアといえばパスタ食の国として知られていますが、実はそれと同様にお米もふんだんに食される国でもあります。欧州諸国の中において生産量も消費量もトップに位置づけられるイタリアのお米は、その種類や調理法等を通して日本のお米食文化との違いを知る事ができます。

 まず、イタリアのお米は形や長さにより種類分けされていることや、日本米
に比べて粘り気が少なくパサパサしているので、食感に顕著な違いがあります。例えばおにぎりを作ろうと思っても、残念ながらいつまで握っても形にならずパラパラと崩れてしまいます。

 

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▲ライスプリン(お米のスイーツ)


 しかし一方で、粘り気が少ないことでリゾットやライスサラダ、お菓子等に適しているので、イタリア米でそれらの米料理を美味しく作れます。その過程において、イタリアではお米が日本のように「炊く」のではなくて「煮る」「茹でる」調理法で食されることを実感するので、日本人にとっては大きなカルチャーショックを感じるのではないかと思います。

 また、イタリアのお米は品種により「リゾット用」「ライスサラダ用」「添え物用」「万能タイプ」等それぞれお勧めがあり、一般的に真空パックにされた箱入りパッケージで販売されています。


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▲アルボーリオ米(リゾット用) ▲ヴェルサティーレ米( 万能タイプ)
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▲カルナローリ米( リゾット用) ▲バスマーティ米( 添え物用)
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パルボイルド米( ライスサラダ用)

 


 パスタと同様に様々なお米料理が食されるイタリアですが、ある説によれば、お米は元来薬
として南イタリアに持ち込まれ、16世紀頃に貴重な穀類として本格的な栽培が始まったと言われています。そんな悠久の歴史と共に育まれてきたお米を煮たり茹でたりして食すイタリアスタイルを介してお米の新たな味わい方を発見できる事も、異国暮らしの楽しみのひとつになる・・・

 そんなことをイタリアから学んだ私であります。



 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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