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イタリア海外駐在員だより Vol.91
最終更新日:2022年12月31日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第91回のお話しは、クリスマスの伝統のオードブルの一品「トスカーナ風クロスティーニ」についてのお話しです。
クリスマスの食卓を彩るトスカーナ州伝統のオードブルの一品
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)
師走の月も残りわずかとなり、早いもので年末を迎えました。こちらチェrルタルドは、今月上旬頃から徐々に本格的なクリスマスシーズンに突入して街なかにイルミネーションが明るく灯り、恒例の大きなツリーがボッカッチョ広場やアルトの集落にあるプレトリオ宮殿前に設置され、光のハーモニーが夜空を明るく照らす光景に包まれている今日この頃です。
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イルミネーションの様子(1) | イルミネーションの様子(2) |
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夜空を彩るクリスマスツリーの光(1) | 夜空を彩るクリスマスツリーの光(2) |
クリスマスが近づくにつれ、日増しに目まぐるしく時間が過ぎる毎日を過ごしていた中、何年かぶりにインフルエンザにかかり数日間高熱が続いたためダウンしてしまいましたが、何とか回復しクリスマス当日に、今年も家族で食卓を囲んで食す伝統のクリスマスフルコース料理を作った私であります。
そこで今回は、クリスマスの食卓を彩るトスカーナ州伝統のオードブルの一品をご紹介したいと思います。
それは鶏のレバ―を主材料として作るレバーペーストのクロスティーニで、トスカーナ州ならではの一品なので、「トスカーナ風クロスティーニ」という名を持つ一品です。ともすればあまり食材として活用されにくいレバーを赤玉ねぎとヴィンサント( リキュール)で煮込み、酢漬けのケッパーの実を加えてミキサーにかけ、塩と隠し味のバターで味を整えて作ります。
由来が何世紀も遡る農民料理と言われているのは、農民にとって昔とても貴重な食べものだった鶏を余すところなく食べる為に工夫され生まれた料理だからとのことです。そんな由来をもつ伝統の一品ですが、世代を超えて継承され、今日ではクリスマスをはじめ大切なフェスタの際に欠かせない存在となり、地味ながらオードブルの主役を務める料理といっても過言ではないでしょう。
また、各家庭ごとに秘伝のレシピが存在するとも言われるこのトスカーナ風クロスティーニですが、私は留学生生活をしていた時お世話になった下宿先のノンナ(おばあさん)秘伝のレシピで毎年クリスマスにこの一品を作っています。作るたびに私を家族の一員のように可愛がってくれた今は亡きおばあさんのことを思い出す私であります。
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トスカーナ風クロスティーニ | トスカーナ風クロスティーニの材料 |
本年もイタリア海外駐在員だよりを読んで下さり、ありがとうございました。この場をお借りしまして心より御礼申し上げます。
来たる新しい年が健やかで幸多いより良い年になりますようお祈りいたします。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
どうぞ良いお年をお迎えください。
Buone Feste ! ( Happy Holiday! )
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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