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イタリア海外駐在員だより Vol.90

最終更新日:2022年11月30日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第89回のお話しは、イタリアに移住することで乗り越えなくてはならないハードルと言える滞在許可証更新についてのお話しです。


画像:チェルタルドパノラマ 

移住者が乗り越えなくてはならないハードル

 甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)

 気づけば黄金色の落ち葉が風に舞い、朝晩の冷気が一段と深まる初冬の季節を迎えました。

 こちらチェルタルドでは、寒さを伴う湿気を帯びた空気に包まれる中冷たい雨が降る天気が続き、ともすれば、グレー色の空のようなどんよりとした気持ちになりやすい毎日です。

 しかし、来月のクリスマスシーズン到来に向けて、徐々にフェスタの明るい空気の香りが漂い始めていると感じる今日この頃です。

 さてそんな中、約2か月前に更新手続きをした滞在許可証の受け取りのため、先日フィレンツェの移民局に再び足を運びました。滞在許可証は、イタリアにおいて移民として生活する外国人に対して、合法的な滞在を公式に許可する証明書のため、パスポート同様必須のものです。

 

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フィレンツェの移民局入り口前( 1時間待ちの後) 全ての受付窓口が開かない移民局の様子

 本来、永年滞在許可証であるEU市民家族用滞在許可証を所持する者は、紛失しない限り更新不要のはずなのですが、この度、従来の紙型のものからICチップ入りのカード型のものに切り替えを必要とする新しい法律が発布されたことによります。そのタイプの滞在許可証を所持する私ですが、更新手続き完了までに約8時間(約丸一日がかり)、その日から受領までに約2か月待ち、受領の日も受付番号札を取るのに約1時間、窓口に自分の番号が呼ばれるまで約5時間待ちとなり、移民であふれるカオスな状況の末、ようやく手にできたカード型の滞在許可証はもちろん、簡単にはもらえなかった受付番号札さえとても貴重に思えて、何かひと仕事したような感覚を覚えた私であります。

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受付番号札の受け取りを待つ長い列  受け取るだけで貴重な受付番号札


 イタリアで移住者として滞在するためには、ひとえに理不尽に待たされることへの忍耐力をはじめ、どんな予想外の困難にサプライズ的に遭遇してもくじけない雑草魂で乗り越えなければならないハードルに挑む必要がありますが、最終的に無事にいくかどうかは、幸運に恵まれることも必要であると言えましょう。生まれ育った母国を離れて外国人として異国へ移住することに伴い発生する困難な状況も、それを乗り越えることがいずれ自分の糧なる・・・そんなことをイタリアから学んだ私であります。

 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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