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イタリア海外駐在員だより Vol.85
最終更新日:2022年06月23日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第85回のお話しは、フィレンツェ歴史地区のあちらこちらにある建物の壁に残り、フィレンツェの歴史を知る手がかりとなる古い小窓ついてのお話しです。
古い小窓の秘密 ~フィレンツェの歴史を知る手がかり~
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甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)
早いもので、今年も半年が過ぎ去ろうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。
イタリアではこの時期梅雨こそ無いものの、天気予報士から「カロンテ : ギリシャ神話において冥途の川の渡し守とされるカロン」というインパクトある名前が付けられた強大な勢力を持つ高気圧の影響で、大変暑い夏を迎えている今日この頃です。もはや近年恒例となった酷暑の夏ですが、今年は既に記録的熱波の第5波に襲われ、また記録的な雨不足による日照りと水不足の問題に直面しているイタリアです。
しかしそんな中、先週、盛大なビールフェスが始まり、酷暑に負けない賑わいと活気溢れる熱い空気に毎晩包まれているチェルタルドです。
ビールフェス開催告知ポスター | ビールフェス会場の様子 |
さて話題は変わりますが、フィレンツェの歴史地区を散策している中であちらこちらに目に留まる、建物の入り口扉の横にあるアーチ形の小窓について少しご紹介したいと思います。その小窓は、俗に「ブケッテ デル ヴィーノ : ワイン直売用の小窓」と呼ばれています。
古い小窓が残る建物(フィレンツェ歴史地区) |
その起源は古くて、17世紀半ば頃にさかんに作られ活用されたと言われています。当時、自らが所有するブドウ畑で収穫されたブドウを原料にした自家製ワインを販売して大きな富を得ていた貴族階級の人達が、自ら所有する建物の入り口の横に小窓を作り、そこを介してワインを人々に直売するために作られたそうです。それに伴い、小窓と共に「ワイン直売所」との表記や直売の時間帯について記された看板が残っている建物もあります。
古い小窓 | ワイン直売の時間帯が表記された看板 |
フィレンツェの歴史を知る手がかりとなるアーチ形の小窓・・・サイズは小さくても、街と共に悠久の時代を歩んできたその存在に、大きな魅力を感じる私であります。
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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