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イタリア海外駐在員だより Vol.82

最終更新日:2022年04月25日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第82回のお話しは、トスカーナの西海岸の港町、リヴォルノについてのお話しです。


画像:チェルタルドパノラマ 

冬が過ぎ去った後に迎えたある休日の午後

 

 

 甘楽町の皆さま、ボンジョールノ!  (  こんにちは! )

 こちらイタリアでは、数日前にドラギ首相より、実に2年2か月間続いた「コロナ感染による緊急事態宣言」の今月3月末日での撤廃を告げる政令が発令されました。それに伴い、長い間導入されていたグリーンパス( ワクチン接種証明)とその所持の有無に基づいた多くの規制措置が来月4月から段階的に排除され、5月以降全て撤廃されるそうです。

 

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品薄になった小麦粉 品薄になった植物油

 

 この度の政府の決定により、イタリアも他の欧州諸国と同様に緩和政策へ舵を切り、冷え切った経済、特に観光業の回復が期待されています。しかしウクライナ情勢の影響を受けて、ガソリンやガスの価格の急騰をはじめインフラ、またスーパー等で小麦粉や植物油の買い占めが発生し、人々の日常生活が打撃を受けている今日この頃です。

 

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テラッツァ・マスカーニ広場(1) テラッツァ・マスカーニ広場(2)

  

 さてそんな中、冬は過ぎ去り本格的な春の到来を感じたある休日の午後に、海が見たくなり久しぶりに家族で遠出しました。目的地は、リグーリア海に面したトスカーナ州の西海岸の港町であるリヴォルノ( Livorno ) 。チェルタルドから片道約80km離れているため、高速道路を西へひたすら走らなければなりません。リヴォルノは、ピサ県に隣接するリヴォルノ県の県都で、かつてルネッサンス期の16世紀に「理想都市」として築かれ、メディチ家の港として地中海貿易において重要な港湾都市となり発展した歴史を持つ由緒ある港町です。

 

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リグ―リア海の眺め(テラッツァ・マスカーニ広場より) 海岸沿いの遊歩道からのパノラマ

  

 また街なかに運河が交差し、要塞化した市壁に囲まれた独特の景観が美しく、訪れる人々の心を魅了するまちでもあります。そんなリヴォルノの海岸沿いに長く続く遊歩道を散策したり、地面に描かれた美しい市松模様で有名なテラッツァ・マスカーニ広場で、海の香りと潮風を感じながら穏やかで広大な海を無心で眺めたひと時は、とても貴重で心が和んだ大切な時間となりました。イタリアは間もなく冬時間からサマータイムへ切り替わります。今後春から初夏へ向かうにつれ、より一層休日を海で過ごしたくなる・・・そんな想いに駆られる素敵な季節の到来が待ち遠しく思う今日この頃です。

 

 

 

在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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