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イタリア海外駐在員だより Vol.78
最終更新日:2021年11月25日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第78回のお話しは、フィレンツェの伝統食である「ランプレドットのサンド」についてスポットをあてたお話しです。
フィレンツェの伝統の食を語るとっておきのソウルフード
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)
季節は進み、日増しに冷気が一段と深まり、冬の訪れを感じる頃を迎えました。来月上旬にスタートするクリスマスのフェスタ期を間近に控える中、こちらチェルタルドでは、メインストリート等にイルミネーションが飾りつけられ、ボッカッチョの像が立つ中心広場に恒例の巨大なクリスマスツリーを設置する光景が目に留まる今日この頃です。
クリスマスツリーの設置 | 作り立ての牛モツ煮サンドを販売するキオスク |
さてそんな中、先日フィレンツェに行きました。フィレンツェの歴史地区もイルミネーションが飾られ、素敵な雰囲気に包まれ始めました。所用を済ませると昼食時間になったため、私はあるとっておきのフィレンツェのソウルフードを求めて、ダンテ・アリギエーリの家の傍にある広場に行きました。そこにはまさに、フィレンツェの伝統食である「ランプレドットのサンド」( 牛モツ煮サンド) の作り立てを提供してくれるキオスクがあるからです。
フィレンツェのソウルフード |
ランプレドットとは、牛の第四胃なのですが、中世からルネッサンス期を経て1800年代に至るまで、フィレンツェのアルノ川で釣れた「ランプレーダ」という高級魚を食すことができなかった貧しい庶民が、その魚の代わりになるタンパク源を摂取するために食べていたそうです。そのため、庶民の間でそのモツのことを「ランプレドット」と呼ぶようになり、その名が定着し今に至ると言われています。
フィレンツェの歴史地区の様子(1) | フィレンツェの歴史地区の様子(2) |
また、「ランプレドッタイ」( 牛モツ煮サンドを作る職人)の見事な手さばきで作られるランプレドットのサンドは、フィレンツェっ子がこよなく愛するソウルフードで、屋外で食べるストリートフードです。
牛モツ煮サンドを作る様子 |
「ランプレドッタイ」が営むキオスクは、フィレンツェの歴史地区の街角に幾つかあるのですが、彼らが作るアツアツの出来立てのサンドは、一口頬張る時に凝縮されたフィレンツェ伝統の食の歴史と庶民文化を感じるとっておきのソウルフードと言えましょう。そんな「ランプレドットのサンド」 は、今後も時代を超えてその美味しくて魅力的なフィレンツェの味を後世に伝え続けることでしょう。
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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