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イタリア海外駐在員だより Vol.75

最終更新日:2021年08月23日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第75回のお話しは、強烈な熱波に襲われたイタリアの夏と南イタリア・プーリア州のご当地グルメ「タラッリ」についてのお話しです。


画像:チェルタルドパノラマ 

「タラッリ」~南イタリア・プーリア州のご当地グルメ~

 

甘楽町の皆さま、

残暑お見舞い申し上げます。 

こちらイタリアでは、先月の‘’熱い夏’’(サッカーEURO2020大会優勝の歓喜に沸いた熱い夏)が去ったあと、アフリカのサハラ砂漠から張り出す高気圧の影響により、大変強烈な熱波に襲われ、連日最高気温が40度に達する’’暑い暑い夏‘’の日々が続きました。サルディーニャ島や南部のシチリア島では、熱波の異常気温による大規模な山火事が発生し、大きな被害が生じました。ここチェルタルドでも、先日、最高気温が40度、体感温度が42度に達し、焦げるような暑さとドライヤーの熱風のように感じる空気に流石に堪えました。我が家は、クーラーが無いというイタリアの伝統的な家なので、日光を遮断し保冷剤をフル活用して涼を取る工夫をし、何とか乗り切ることができました。

 

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「タラッリ」(甘い)

さて、そんな灼熱の日々を過ごしていた中、大学で知り合った友人の故郷を訪ねるため、南イタリアのプーリア州に滞在していた娘が帰宅し、お土産を買ってきてくれました。それはズバリ「タラッリ」。プーリア州の伝統的な固焼きパンで、言わばご当地グルメとして有名な食べ物です。

 

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「タラッリ」

 サクッととした歯触りで独特の砕ける食感があるため、どちらかというと’’おつまみスナック‘’といった感じです。生地にその土地特産のオリーブオイルと白ワインを練りこんで作られるためか、その爽やかな風味と程よい塩味、さらにはワインやビールのお供に最適なので、ついもうひとつ、とつまむ手が止まらなくなってしまうくらい美味しい食べ物です。

タラッリには、シンプルなものをはじめ、トマト風味、雑穀麦やジャガイモを混ぜて味付けをしたり、砂糖で甘くお菓子のように仕上げたもの等もあり、とてもバラエティー豊かです。

 

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「タラッリ」(小さいサイズ)     

 また、サイズの違いにより、呼び名が少し変わります(タラッリ:普通サイズ、タラッリーニ:小さいタラッリの意)また、「タラッリ」の名は、ギリシャ語の「トロス」(円環状)に由来すると言われ、遥か古代の昔、大ギリシャ時代の植民地であったその土地の悠久の歴史やギリシャとのゆかりを感じて興味をそそられます。トスカーナ州から約700km離れた南イタリア・プーリア州。いつか訪ねてタラッリの食べ歩きをしてみたい…という想いを馳せながらタラッリをつまんでいる私であります。

 

 

   在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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