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イタリア海外駐在員だより Vol.70
最終更新日:2021年03月25日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第70回のお話は、イタリアの父の日にちなんだ伝統スイーツについてのお話しです。
イタリアの3月19日とその日の伝統スイーツ
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは!)
春分が過ぎ、日増しにやわらかな日の光が心地よい春のぬくもりを感じる季節を迎えました。こちらチェルタルドでは、毎朝賑やかな小鳥のさえずりが聞こえ、イタリアの国花「デージー:イタリア語名マルゲリータ」の花が散歩道の脇の野原に沢山咲く様子が目に留まり、本格的な春を実感する今日この頃です。
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散歩道とその脇に咲く春の花「マルゲリータ(デージー)」 | イタリアの国花「マルゲリータ(デージー)」 |
さてそんな中、今年も巡ってきた3月19日。その日はイタリアでは、イエス・キリストの養父「サン・ジュゼッペ(聖ヨゼフ)」を祝う日とされることから、ずばり「父の日」であります。
「アウグーリ!」(父の日おめでとう!)のお祝いの言葉と共に華を添える「ゼッポレ」という伝統の父の日のスイーツがありますが、それがこのフェスタをより一層盛り上げてくれると巷で言われています。一説によれば、イエス・キリストの養父のジュゼッペが、副業で揚げ菓子を作っていたことにちなみ、揚げシュークリーム(ゼッポレ)が父の日の祝い菓子になったとか。
ドーナツ状にぐるっと巻いて形作られたシマシマ模様のシュー生地を揚げて、カスタードクリームとシロップ漬けのサクランボをトッピングしたスイーツです。揚げたものが伝統的で人気がありますが、昨今の健康志向を反映したオーブン焼きのものと2つのタイプがあります。
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イタリアの父の日スイーツ「ゼッポレ」(揚げたもの) | イタリアの父の日スイーツ「ゼッポレ」(オーブン焼き) |
現在の一般的なレシピは、1800年代前半にナポリの料理人によって発案されたもので、ナポリからイタリア全土に広まり、今なお受け継がれているものだそうです。
我が家は主人が南イタリア人のため、今年もナポリ人家族が経営するお菓子屋さんの自家製のゼッポレで父の日を祝いました。コロナ禍で感染状況が一進一退な中においても、とっておきの伝統スイーツと共に父の日をお祝いできたことに感謝の気持ちを抱いた私であります。
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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