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イタリア海外駐在員だより Vol.68
最終更新日:2021年01月22日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第68回のお話は、イタリアの有名な観光都市シエナを訪れた際の歴史風情残る美しい街並みや地元市民のようすなどを取り上げ、感じたことについてのお話しです。
ある冬晴れの日の午後
甘楽町の皆さま、
Felice anno nuovo ! (明けましておめでとうございます)本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
新しい年2021年が到来し、早くも大寒の頃を迎えました。1年で最も寒さが厳しい時期の如く、こちらチェルタルドも北極圏から南下した強い寒気の影響で凍てつく寒さに見舞われ、防寒対策にも留意して日々を過ごしております。
さてそんな中、ある冬晴れに恵まれた日の午後、電車でシエナというまちへ行きました。
マンジャの塔(シエナのシンボル) | シエナの歴史地区の街道 |
新型コロナの感染状況が少し落ち着いたトスカーナ州において、約3週間ぶりに制限措置が一部緩和されたため、久しぶりの遠出外出となりました。電車は、乗車専用と降車専用にドアが区別され、着席禁止の椅子を定める等感染拡大防止対策がとられていました。
電車内の様子 |
シエナは、フィレンツェと並ぶトスカーナ州の有名な観光都市で、城壁内の歴史地区は中世期の面影が色濃く残る建物が建ち並ぶ美しい街並みで、まるで数世紀前にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。城壁門をくぐり古い石畳の道を歩いていくと、カンポ広場(中心広場)へ着きます。そこは貝殻の形をしたイタリアの広場の中で最も美しい広場の一つといわれ、シエナの重要な観光スポットであるため、コロナ禍以前は常に多くの観光客で溢れていました。
カンポ広場(1) | カンポ広場(2) |
しかし、その日は、冬の太陽光の下、広場のバールの椅子に腰かけて午後のコーヒータイムを満喫していた地元市民の姿が多く目に留まりました。これまでテイクサービスのみだったのが、規制緩和により時間制限付きながらバールで飲食可能となった(PM 6:00まで)ことで、それがようやく叶った喜びを存分に味わっているかのように思ったと同時に、バールが人々で賑わう光景こそイタリアにとっての大切な日常であることを心に強く感じました。
カンポ広場のバールの風景 |
この大切な日常が日々の暮らしの中から再び消えることなく在り続ける時が一日も早く戻ってほしいと願いつつ、コロナの収束を改めて祈るばかりです。
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。
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