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イタリア海外駐在員だより Vol.51

最終更新日:2019年08月21日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第51回のお話は、イタリアの三大国民的祝祭日のひとつ「フェッラゴースト」についてです。 


画像:チェルタルドパノラマ 

イタリアの三大国民的祝祭日のひとつ「フェッラゴースト」

 残暑お見舞い申し上げます。

 立秋が過ぎ暦の上では既に秋というものの、依然厳しい暑さが続く候、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 こちらイタリアも、まだ厳しい残暑に見舞われる日も幾度かあり、本格的な秋の到来を告げる足音が聞こえ始めるにはまだ時を要しそうな今日この頃です。

 さてそんな中、カトリック教国イタリアにとって、クリスマスやイースターと並ぶ三大国民的祝祭日と言われる大切なフェスタ「8月15日、フェッラゴーストの祝日」が今年もやってきました。

 カトリック教上で聖母マリア様が天に召された日とされ、とても重要な祝祭日と認識されているのですが、歴史を遡ると紀元前18年に、政治的目的以外に複数の祝日を一纏めにするという、古代ローマ帝国皇帝アウグストゥスの意向により制定されたと言われ、ラテン語の「Feriae Augusti:アウグストゥスの休息」に由来するとのこと。そのためか、フェッラゴーストの前後は日本のゴールデンウィークのように、殆どの人々が纏めて休暇をとり家を留守にする習慣があるため、街中はガランと閑散し「休暇のためクローズ」という告知の張り紙が張られたお店ばかりが目に留まります。

 

「休暇のためクローズ」を告げるお店の張り紙               閑散としたメインストリートの様子  
  「休暇のためクローズ」を告げるお店の張り紙              閑散としたメインストリートの様子     

 

 また、このフェスタの当日(8月15日)は、屋外で一日を過ごすという伝統的な習慣があるため、それに習い今年はキウズディーノというトスカーナ地方の小さなボルゴ(村)に行ってきました。その村出身の元騎士だった聖人ガルガーノが、1180年のある日小さな古い礼拝堂で祈りをささげていた時、天からのお告げを聞き、騎士を辞め修道として隠居生活を送ることを決意した際、騎士の象徴の剣を岩に刺したところ、その岩が刀先を飲み込んだという伝説にまつわるその剣が保存されている礼拝堂と、その聖人に捧げる意で中世期に建てられた屋根のない大きな修道院跡のモニュメントを見学しました。

 

 

屋根のないサンガルガーノ大修道院跡(1)     屋根のないサンガルガーノ大修道院跡(2) 
   屋根のないサンガルガーノ大修道院跡(1)         屋根のないサンガルガーノ大修道院跡(2)

 

岩に刺さる伝説の剣     伝説の剣が残る古い礼拝堂
        岩に刺さる伝説の剣            伝説の剣が残る古い礼拝堂

 

 

 由緒ある歴史の語り部を介しその地に刻み続けられる悠久の歴史を肌で感じ、大変有意義なひと時を満喫できたフェッラゴーストの一日となりました。

 

 

 

 

 

在イタリア・チェルタルド市                 

                                          甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。

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