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イタリア海外駐在員だより Vol.42
最終更新日:2018年11月26日
イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします
甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。
第42回は、スローフードについてのお話です。
伝統のスローフードを生む源
甘楽町の皆さま、ボンジョールノ ! ( こんにちは! )
「グレー色」。この色が霜月のチェルタルドのイメージカラーだと思える程どんよりとしたグレー色の空が広がり、古い石畳の道に冷たい
雨が浸み込む今日この頃です。時折まるで雲海のような深い霧の帯が立ち込めるこの時期特有の現象を見る度に、今の季節を心に感じてお
ります。
さて、そんな湿気を多く含む寒さが到来する初冬になると、地元のイタリア人はそれまで休眠していた暖炉に火おこしをして、暖をとり
始めます。幼い頃から暖炉と共に寒い季節を過ごしてきた人々にとっては、ライフスタイルが多様化する昨今においても、暖炉への愛着を
変わらず感じていることと思います。
霜月のチェルタルド
先日、知り合いの年輩のシニョーラ(婦人)が経営するターヴォラ カルダ(食事処)で、彼女の暖炉の消し炭の横にコッチョ(陶器の深鍋)を
見つけたので、「何を作っているの ? 」と尋ねたところ、「豆入りの冬野菜煮込みスープよ」と教えてくれました。たぶんスローフ
ードだろうと予想した私。こんな暖炉とコッチョを活用する原始的なスタイルこそが、じっくりたっぷり時間をかけて作ることで出来
上がる極上の伝統スローフードを生む源なのであります。
伝統スタイルでスローフード作り!
冷えた身体と心までほっこり温まりそうな質素なご馳走スローフードの一品が、イタリアの食卓の主人公を務める季節を迎えた今日こ
の頃です。
在イタリア・チェルタルド市
甘楽町海外駐在員 稲葉美代子
稲葉美代子さんプロフィール
愛知県出身。
日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
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