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群馬県指定史跡 旧小幡藩武家屋敷松浦氏屋敷

最終更新日:2016年08月02日

 柱の光付け

 礎石の上に建てる柱の底面と礎石上面がピッタリと合うように
加工、成形を施します。
この作業を「光付け(ひかりづけ)」と呼びます。この工程をご覧ください。

 

松浦家主屋の礎石

 松浦家主屋の礎石です。解体前と同じ位置に復した礎石群です。
 これらの礎石の上に柱が建ちます。
 写真手前が出入口となる土間となります。  東南より撮影

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光付けを待つ柱

 柱写真の右側半分が使われてきた柱で、左半分は新材の柱となります。
 中之条の工場より松浦家に搬入され、これから光付けを行ないます。

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光付けの工程 

 松浦家主屋の柱は4寸(12.1cm)の角柱ですので、材木の上に薄い
ベニヤ材を釘で止め固定させます。この大きさが4寸となります。 

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 四面を固定させます。材木よりベニヤ材が出ているのは柱の外側の光付けを
行なうからです。

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  中央に線を引きます。この線と礎石面に引いた線が一致するようにします。
なお、礎石面に引いた線は自然に消滅するインクを使用しています。

 大黒柱も同じようにします。 

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 では、大黒柱の光付けを見ましょう。
礎石の上に光付け用の柱をのせ、垂直を確認しながら真っ直ぐに立てます。
大黒柱は19×23cmの大きさです。      南より撮影 

160802-6.JPG

    

  ここではコンパスを利用して光付けを行ないました。
コンパスを広げて固定させ、針を礎石面に置きなぞってゆくと、白いベニヤ材に
線が自動的にえがかれます。つまり礎石の凹凸が線となって表れます。

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 次に線のところまで丁寧に削り取ります。

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 礎石に立てて入念にチェックを行ないます。必要があればさらに削り取ります。

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 ピッタリと納まりました。

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 次にベニヤ材を取り外し、ベニヤ材4枚が実際の柱と合うように置きます。

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 ベニヤ材の凹凸を大黒柱に写し取ります。

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 大黒柱の底面の線が写し取られました。線より左側は切り取ります。 

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 さて、柱の内は「おさ」と呼ばれる道具で凹凸をとります。
 礎石面におさを当てて凹凸を取り、この凹凸を柱の底面にあてて成形します。

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 礎石面の凹凸を取り、柱の底面にあて状況を確認しながら成形します。

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 ノミで柱の底面内を「おさ」で確認しながら成形して光付けを完成させます。

 松浦家主屋の柱はすべて上記のように光付けを行ない建てています。 了。

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