ホーム > 町の紹介 > 歴史・沿革 > 甘楽町指定文化財 > 宝積寺開山堂の天井画

宝積寺開山堂の天井画

最終更新日:2018年08月29日

指定:平成30年1月31日   町指定重要文化財
所在地:甘楽町大字轟774 宝積寺
見学:不可
  
  宝積寺開山堂の天井画.jpg
  
 宝積寺は宝徳二年(1450)、小幡の領主であった小幡実高(おばたさねたか)が中興開基となり、茨城県東昌寺住職の即庵宗覚(そくあんそうかく)を請いて、それまでの天台宗を改め曹洞宗として再興された。開山堂は東西3間×南北4間で、北面する本堂の奥にある。嘉永元年(1848)10月に39世古巌道錦(こがんどうきん)代に完成している。
 開山堂の天井は格天井で、東西方向に7、南北方向に8の合計56枚の小枠が組んである。この天井画1枚の大きさは55cm四方でスギ材を使用している。画面は全て直径4cmの円形の中に彩色で描かれた花鳥、動物類などである。円の幅は約5mmである。花だけとしてユリ、ボタン、キキョウなどがある。花鳥はマツに鷹、マツに鶴、タケに雀、キクに鶏、ウメに鶯など。鳥だけはクジャクなど2点。動物だけは虎など3点。花に動物としてハギに猪、ヤナギに牛、サクラに馬など。波関連として波に千鳥、波に蓑亀など3点。また、白色の鸚鵡図、赤色の鸚鵡図も見られる。想像上の動物として、鳳凰図、バク図、麒麟図、唐獅子図、そして龍図が各1点ある。56枚の天井画は全て生き生きと描かれている。
 絵師名は、座敷内にいると思われる犬の狆を描いた画面に「法眼宗信筆」の署名と落款2個が押印されている。富岡市岡本に所在する福寿院本堂内に欄間絵「唐獅子牡丹」があり、左図表面に「法眼宗信筆」、右図裏面に嘉永5年(1852)絵師落合松蔵とあり、狩野宗信は落合松蔵であると判断できる。しかし、生年、師匠名、活躍時期、没年等は不詳である。
 このような絵画史料は、当町においては極めて貴重、重要な遺産であり、後世に残して行きたい天井画である。

このページへのお問い合わせ

教育課 文化財保護係
住所:〒370-2292 群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡161-1
電話:0274-64-8324
ファクス:0274-74-5813