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刀剣大小刀(小幡藩家臣注文打)

最終更新日:2011年11月13日

指定:昭和41年6月20日   町指定重要文化財
所在地:富岡市富岡1508番地

 刀   鎬造り(シノギ)(鎬は刃(ハ)と棟(ムネ)の間にある高い線のこと)。全長109cm、刃長81.8cm、反り(ソリ)2.2cm、元幅4cm、先幅3cm、重ね(厚さ)1cm。

  銘(メイ)は太刀銘{刀を下につて佩(ハ)いた時に、刀工者の名前が体の外側(表)にでる}に切る。
  表 銘 立花圓竜子国秀作(タチバナエンリュウシクニヒデサク)
  裏 銘 天保(テンポウ)十三壬寅歳(ミズノエトラドシ)六月日
       應 上毛小幡(カミツケオバタ)家士小島貞之進敬信(テイノシンタカノブ)需

  身巾広く、鳥居(トリイ)反り(京反り(キョウゾリ)などともいい、反りの最も高い所が全長の中程にある)姿よく、ずっしりとしている。

  地肌(ジハダ)は、大板目(オオイタメ)(木目の板の目にように大きく不規則な模様)で、肌をよく詰んで(きめ細かいこと)、刃ぶちに柾(マサ)がかる(板の柾目(マサメ)のように縦に直線ができる。)

  刃文(ハモン)は、湾れ(ノタレ)(波のうねりのように起伏がある)に、互(グ)の目(刃文の乱れり頭がまるく、高さがほぼ揃う)を交え、地刃(ジバ)の境に砂流し(砂が水の流れによって線を描くように、縦線になったものが幾筋か走っていることをいう)が入り、疵(キズ)など無い健全な一振である。

 脇差(ワキザシ)   平(ヒラ)造り(平面で鎬(シノギ)などが無い)。全長50.7cm、刃長38.2cm、反り(ソリ)0.9cm、元幅4cm、先幅3cm、重ね(厚さ)1cm。

  銘は刀銘{刃を上にして腰にさした時、刀工者の名前が体の外側(表)にでる}に切る。
  表 銘 天保十三壬寅歳六月日
       立花圓竜子国秀作
  裏 銘 上毛小幡家士
       應 小島貞之進敬信需

   作柄は刀とほとんど同じ造り(鍛え(キタエ))であるが、平造りの豪壮(ゴウソウ)さが特に すばらしく、健全(疵などが見られないこと)である。

   刀工の立花圓竜子国秀は、中山一貫斎義弘(ナカヤマイッカンサイヨシヒロ)の門弟(モンテイ)で、豪壮の造りを学び、また相州(ソウシュウ)(神奈川県)へも行き修行を積んだ。

   安中(アンナカ)(群馬県)に住み、天保~弘化(コウカ)頃(1830~1847)活躍し、 上毛(群馬県)五銘工の一人に数えられている。

   この大小刀は、刃銘にあるとおり、天保13年(1842)6月、小幡  (松平)藩士小島貞之進敬信の注文打(チュウモンウチ)で、国秀の最高作といわれるほどの入念作である。

   また、敬信の弟の小島織之助敬光(コジマオリノスケタカミツ)の国秀に作刀を依頼しており、兄と同じ天保13年銘の脇差が一振県内に現存している。

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