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旧小幡藩武家屋敷足軽長屋

最終更新日:2020年10月30日

指 定:令和2年3月27日 町指定重要文化財
所在地:甘楽町大字小幡932
見 学:外観のみ可

 旧小幡藩武家屋敷足軽長屋2

 甘楽町の南部に所在する城下町小幡は、陣屋と武家屋敷等から成る陣屋内と、大手門の北に延びる町屋地区で構成された。当足軽長屋は、陣屋内の北東隅部、分流した雄川堰に囲われた区画に位置している。「小幡藩陣屋内絵図」(明和4年〈1767〉以降)には、当長屋敷地に計20の名前が記され、苗字も一部が読み取れることから、武士長屋であったことが分かる。

 当長屋は10軒長屋で、東西2棟建っていたが、明治時代に住宅にするため東側の長屋を取り壊し、時を同じくして西側の長屋も東側5軒分を取り壊したことにより、現存するのは5軒長屋のみになったと伝えられている。現在の5軒屋根の葺き替えと改修は、昭和30年代前半及び昭和40年代後半に行い、昭和50年代頃まで住宅として用いられていた。現在は空き家となっている。

 現状は、木造平屋(一部小屋裏使用)、寄棟造、草葺き銅板波板被覆、四方に下屋を廻し、北側にはさらに下屋を下ろす。外壁は主屋部を土壁、下屋部を鉄板平葺き及び波板葺き、北側腰をコンクリートブロックとし、正面を南として玄関を設け、背面に裏口、カマドや厠等を置く配置としている。建物は2間割5軒長屋(推定で10軒)で、1軒の規模が間口2間・奥行3.5間、居室1室と玄関、台所で構成された最小単位の住居である。延べ面積は212.91平方メートル。

 江戸時代末期に建てられたと推定される当長屋は、城下町小幡の歴史的建造物として、現存する希少な建物である。封建社会の下で下級藩士の住まいとして作られ、近代から現代へと改修を重ねながら住み続けられてきたことは、住宅史としても興味深く注目されている。

 県内において幕末期の足軽長屋が現存していることは、旧小幡藩に関わる近世や近代史の双方を検証する意味でも重要と考えられ、特別に貴重な建物である。

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