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令和7年度所信表明
最終更新日:2025年03月12日
令和7年度甘楽町一般会計予算並びに特別会計につきまして、その大要をご説明し、併せて予算編成に当たっての所信の一端を申し上げ、議会及び町民の皆様のご理解とご協力を賜りたくお願い申し上げます。
【令和7年度施政方針】
○当初予算編成の基本方針・規模・財源
はじめに、予算編成にあたっての基本方針や財源等について申し上げます。
町政の基本である町民の皆様が安全で安心して生活できることに重点を置きながら、子育て世帯に対する様々な支援や、公有施設の改修事業に係る予算を編成いたしました。
また、町民の声を反映した第6次総合計画「しあわせホームタウン甘楽」及び、甘楽町デジタル田園都市構想総合戦略に盛り込まれた各種事業については、掲げられた目標を念頭に置き、着実に実施して参りますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
はじめに、本町の財政状況ですが、令和6年度の町税収入の状況は14億4,020万円程度の見通しとなっており、定額減税による減収補填である地方特例交付金5,359万円を加えると合計が14億9,379万円となり、前年度と同水準となります。
令和7年度については、個人町民税の定額減税からの復元による増額、法人町民税の法人税割の増額及び、償却資産の増加に伴う固定資産税の増額などを見込み、町税全体では当初予算額で前年比4.9%増加の15億1,026万2千円を計上いたしました。
町の歳入の根幹となる地方交付税でありますが、普通交付税は、前年より370万円減額の16億9,000万円を見込んでおり、地方交付税の交付総額は前年と比較して0.7%の減少となっています。
また、国の地方交付税総額は前年度を上回る水準で確保され、赤字地方債である臨時財政対策債の発行については制度創設以来、初めてゼロとなり、地方財政の健全化への取り組みが推進されています。
このような町税・地方交付税の歳入見込みの中で、令和7年度予算編成にあたっては、厳しい財政状況を深く認識し、限られた財源を重点的かつ効率的に執行するために、甘楽町第6次総合計画に盛り込まれた施策を推進するとともに、子育て支援に重点を置く予算といたしました。
この結果、令和7年度一般会計当初予算の総額は、62億1,900万円で、前年度当初予算と比較して3.3%の増加となりました。
○重点施策
それでは、予算案の重点事業について申し上げます。
一つ目は、 子育て支援対策 です。
「めぶきの森かんら」及び「かんら保育園」については、民間事業者による安定的な運営はもとより、町と事業者が連携することで、より質の高い保育サービスの提供、幼児教育及び子育て環境の充実が図られているところです。
町では子育て世帯の経済的負担を軽減するため、第2子以降の保育料を無償としてきましたが、さらなる負担軽減を図るため第1子目からの保育料も無償とし、完全無償化を実施いたします。物価高騰対策に係る国補助金を活用し、すでに令和7年1月分の保育料から無償化を実施していますが、令和7年度からは町の単独事業として実施しますので、ご理解ご協力をお願いします。
「めぶきの森かんら」では受け入れ園児数の増加を図るため施設の改修を予定しておりますが、施設整備には国、県とともに町が財政的に補助し、公私連携により園児の受け入れ体制の充実を図って参ります。
また、新規の事業として、子育て短期支援事業を創設し、保護者の都合等による子どもの一時的な預かりを実施することで、子育て支援体制を充実させて参ります。
なお、小学校及び中学校の生徒約810人の給食費の完全無料化、高校生世代までの医療費の無料化、「家庭子育て世帯応援金」の交付、「小中高入学応援金」の交付及び、学童保育所における、世帯で同時に利用する2人目以降の保育料の半額補助 については、引き続き子育て世帯を支援する観点から、併せて実施して参ります。
二つ目は、公園及び町道の整備です。
公園整備については、令和5年度から大手門周辺の整備に着手し、良好な景観形成を図るため造成工事等を行って参りました。令和7年度は、旧小幡幼稚園舎跡地の駐車場等の整備工事により、観光面及び地元の方の利便性向上を図ります。
その他、小幡地区では、紅葉山周辺園路整備工事を行い、甘楽総合公園内の園路整備と併せて小幡周遊拠点整備を進めます。
また、旧福島幼稚園舎跡地では、地域住民の交流・憩いの場として防災機能を備えた公園を整備し、周辺施設の一体とした活用を検討します。
道路整備については、町道生板木、小幡新町線整備に係る基本測量設計が完了したことから、令和7年度は用地測量と用地買収を実施し整備を進めます。
また、甘楽スマートインターチェンジへの北側からのアクセス道路として、町道北城、駒田線工事の測量設計を行い、さらなる利便性の向上に繋げて参ります。
三つ目は、公有施設の長寿命化改修工事の実施であります。
公有施設の長寿命化対応につきましては、これまで、甘楽町公共施設等総合管理計画推進検討委員会による進捗管理により優先順位をつけて取り組んでまいりました。照明設備の更新については各施設の個別施設計画にて予定されていましたが、蛍光ランプの製造・輸入が2027年度までに廃止されることが決定され、比較的古い照明器具のLED照明への切り替えが必要となりました。
文化会館大ホールについては、特定天井の耐震改修工事が予定されており、当該工事に併せてホール内の照明設備をLED化するとともに、建物内の会議室等の照明も改修いたします。
その他、図書館照明設備と役場庁舎照明設備をLED照明へと更新し、照明設備の長寿命化を図っていきたいと思います。
なお、更新工事の財源ですが、交付税算入のある有利な地方債が借入可能となっていますので、活用したいと考えています。
○新規事業等
次に、予算区分別の主な新規事業や拡充する事業等について申し上げます。
総務費では、前年度に続いて、デジタル専門人材派遣制度を活用した庁内及び地域のDX化を推進し、庁内では、「書かない窓口」の導入による窓口申請の省力化や、「セミセルフレジ」の導入による収納窓口の利便性の向上を図って参ります。
また、地域おこし協力隊については、新規隊員を募集し、現隊員を含めた合計13名により地域の活性化や隊員の移住定住に繋げます。更に、地域おこし協力隊インターン生については、25名を受け入れ、関係人口の増加や地域の魅力発見を推進して参ります。
なお、新規住宅取得者に交付する「まちづくり定住応援金」や、若い人の定住と町内企業の活性化を図る「奨学金返還支援助成金」、「空き家リフォーム補助金」、「移住支援事業補助金」については継続して実施し、引き続き人口減少対策や若者の定住促進に取り組んで参ります。
民生費では、新たに障害者職場実習補助金を導入し、障害者雇用の支援及び就職機会の拡大を図ります。また、本格的に始まる「こども食堂」の運営支援として運営団体への補助金を新設し、こどもの孤食の解消を図ります。
その他、全世代が安心して暮らせるまちづくりを目指して、各種の事業に取り組んで参ります。
衛生費では、環境対策事業として、新たに省エネ家電購入補助金を導入し、購入費用の一部を補助することで省エネ家電への買替えを促進し、温室効果ガスの削減を図って参ります。
保健事業では、これまでの予防接種事業の実施と併せて、定期接種での実施となった「帯状疱疹ワクチン接種助成」や、令和7年度まで延長となった「子宮頸がんワクチン接種助成キャッチアップ事業」の実施などにより、町民の皆様の健康保持を支援します。
また、「妊婦のための支援給付交付金事業」による妊娠・出産に対する経済的支援及び伴走型相談支援の推進により妊産婦やご家族に寄り添った支援を行って参ります。
農林水産業費では、甘楽町オーガニック推進協議会が中心となり、これまで有機農業推進のための各種事業を展開してまいりました。みどりの食料システム戦略推進交付金の活用については令和7年度が最終年度となることから、実施計画に掲げる目標に向けて、有機農業拠点づくり、販路拡大、担い手の確保・育成などを、より一層推進して参ります。
その他、農業者の生活安定を図る支援や、生産の効率化を図る農業用機械・施設の導入に対する補助を実施し、農業者の所得向上、後継者不足解消に繋げて参ります。
また、林業振興では、荒廃林の整備と里山の管理を、ぐんま緑の県民基金を活用して実施して参ります。
商工費では、観光キャンペーンを実施し町の魅力をPRするとともに、3大パークを巡るシャトルワゴン運行を春と秋の年2回実施します。
イベントの開催では、大勢の観光客が見込まれる「さくら祭り」、「さくらウオーク」及び「アンブレラスカイ」等の従来のイベントに加えて、定番となった「プロレス興行」を開催し、町民の皆様や観光客が楽しめる様々なイベントを実施して参ります。
施設の改修では、那須地区鯉のぼりの里において、老朽化した掲揚ロープの更新、周辺作業道の整備及び案内看板の設置工事を行うため、財源には辺地対策債を活用して実施します。
また、企業の雇用支援や若者の就職支援を継続し、企業進出の促進や雇用の安定を図って参ります。
土木費では、橋梁長寿命化修繕計画に基づき町内48か所の橋梁の定期点検を実施し、橋梁工事では、鵜野(うの)神社(じんじゃ)橋(ばし)の補修工事を行います。
また、住宅リフォーム経費の10%補助、子育て世帯の20%補助は前年に引き続き実施し、生活環境の向上と地域経済の活性化を図って参ります。
消防費では、経年劣化のため老朽化した消防車を、普通免許でも運転することが可能な新型消防ポンプ自動車に更新し、消防団員が活動しやすい環境の整備に取り組むとともに、有事に備え地域消防力の向上を図って参ります。
続いて教育費ですが、引き続き、GIGAスクール構想によるICT教育の環境整備を進め、“個別最適な学び”のできる授業を推進します。
教育施設の整備では、前年度からの続きとなりますが、新屋小学校プール解体後の跡地の活用として駐車場の舗装工事を行い、令和7年度で整備工事が完成となります。
また、福島小学校プールは解体・撤去し、その後は周辺の整備を含めた跡地活用を検討して参ります
経年劣化により木材の腐食が進んでいた麻場城址見晴台については、既存の櫓(やぐら)一式を撤去し、新たに建て替えを予定しています。
学校給食では、調理・配送等の業務が民間委託となりますが、引き続き、アレルギーに対応した安全安心な給食の提供に取り組んで参ります。また、有機野菜や地元食材を使用した学校給食の提供や、交流国給食の日、町内企業給食の日を設けるなど特色ある給食の提供により学校給食の充実を図って参ります。
○特別会計の概要
引き続きまして、特別会計等について申し上げます。
特別会計等は、甘楽町国民健康保険事業特別会計予算など3件、企業会計は水道事業会計予算及び下水道事業会計予算の2件になります。
国民健康保険事業特別会計では、令和7年度の時限的でありますが国民健康保険税を税率改正により引き下げ、物価高騰の影響を受ける家計への負担軽減を図ります。また、出産被保険者の産前産後の保険税4ヶ月分の減免や、18歳以下被保険者の保険税均等割額の実質無料化は引き続き実施し、子育て中の国保世帯の経済的負担の軽減を図って参ります。
水道事業会計では、道路改良工事に伴う配水管布設替工事や漏水事故を引き起こす老朽管の更新工事を実施し、これからも住民の皆様に、安全で安心できる良質な水を、将来にわたって安定的にお届けすることに努めて参ります。
また、企業誘致や町内企業規模の拡大、あるいは住宅用地の拡大に向けた新たな水源の確保のため、地下水の深井(ふかい)戸(ど)さく井(せい)工事を行い調査を実施いたします。
下水道事業会計では、これまでどおり快適な生活環境を保持するため、下水道管渠布設や施設の老朽化対策を進めるほか、善慶寺国峰地区の公共下水道接続のための管路カメラ調査及び管路補修工事を実施して参ります。
公営企業会計となり2年目ですが、激変を緩和するため前年同様、町から財政的な補助をしております。
また、水道事業会計及び下水道事業会計に共通しますが、長期的な視点でそれぞれの経営戦略を見直し、独立採算性を意識した安定的で健全な公営企業運営に資するための新たな基本計画を策定する必要があります。令和7年度からこれらの事業に着手するにあたり、議会をはじめとする町民の皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
○予算執行にあたって
以上が令和7年度当初予算についての大要です。
一般会計当初予算は、物価高騰の影響により費用単価の上昇から歳出予算が増加する厳しい財政状況のなか、適正な起債の借入を行うほか、各基金の繰入れを実施し財源確保に努めた予算編成を行いました。
予算執行に当たっては、財政状況の変化により柔軟に対応し、実施事業の取捨選択や経常経費のより一層の圧縮を進め、必要な予算は確保しながら健全な財政運営に努めていく所存であります。
○おわりに
以上、令和7年第1回甘楽町議会定例会開催にあたり、町政推進にあたって私の所信の一端を申し上げるとともに、議案の大要についてご説明させていただきました。
本町財政は、今後も予断を許さない状況に変わりはありませんが、若い人が住んでみたくなる町、住民が安心して暮らせる町、賑わいと活力のある町、そして誰もが幸せを実感できる町「しあわせホームタウン甘楽」の実現に向け努力してまいりたいと考えておりますので、議員の皆様並びに町民の皆様の深いご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
甘楽町長 森 平 仁 志
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