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イタリア海外駐在員だより Vol.118

最終更新日:2025年05月20日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第118回のお話しは、シエナ市にある州立科学高等学校にて、稲葉さんが日本語入門コースを担当した際にイタリアの高校生と交流したことについてのエピソードです。


画像:チェルタルドパノラマ 

イタリアの高校生との交流  ~日本語入門コースを担当して~

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ! ( こんにちは!)


 
 こちらチェルタルドでは、街路樹のみずみずしい若葉が太陽の光に眩しく映える美しい季節を迎えました。また、この度ようやくボッカッチョ広場のリニューアル工事が終わり、新しく広々とした市民の憩いの場として、その新鮮な様相を呈している今日この頃です。

 さてそんな中、シエナ市にある州立科学高等学校において、今学年度の学校教育プロジェクトのひとつとして実施された、日本語入門の授業コースが先日無事に終了しました。ネイティブ教師による授業という趣旨により、私はお世話になっている大学教授がその高校と繋がりがあることからお声をかけていただき、その授業を担当させていただく機会に恵まれました。生徒は高校1年生から5年生までの希望者14名で、(イタリアの高校は5年課程)みな日本語を初めて学ぶ生徒ばかりでした。それ故「ゆっくり楽しく学ぼう」をモットーに、最終的にひらがなとカタカナの識別や読み書きが自力でできるようになること、簡単な表現で自己紹介できるようになること、そして日本へ旅行する際、滞在中に役に立つ簡単なフレーズの学習等に達成目標としました。しかし生徒達が学習熱心だったことから、それ以上の成果を達成できたことも事実です。また、多くの生徒が、アニメや漫画をはじめ寿司などの日本料理を通じて日本に興味関心をもったこと
がきっかけで、日本語を学びたいと思ったという動機から受講したことを知り、その日本に対する興味関心がより深まり、より親しみを抱いてほしいという願いを込めて、授業におりがみをはじめ、かるた遊びや福笑い、正しい箸遣いを学ぶための体験等の伝統の日本文化に触れるアクティビティもしばしば取り入れ、生徒参加型の授業になるよう工夫をしました。

 結果的にそのアイデアを基にした授業による生徒達との触れ合いが、私にとってもイタリアの高校生との生きた交流を経験できる大変貴重な機会となり、彼らの視点や感覚を知ることで、母国・日本や日本語に対するとても新鮮な気づきを得られた私であります。この度日本語を学び始めた高校生が、今回の経験をもとに日本への興味関心が更に深まるような学びを今後も続けてほしいと秘かに願うばかりです。

 

リニューアル完成したボッカッチョ広場の様子
形容詞の学習
▲リニューアル完成したボッカッチョ広場の様子 ▲形容詞の学習
長音の学習(ひらがな)
僕たちも日本の箸と仲良くなるぞ!(箸遣い体験)
▲長音の学習(ひらがな)
▲僕たちも日本の箸と仲良くなるぞ!(箸遣い体験)
かるた遊びでひらがなの読み方学習
ある日の授業にて(福笑い体験)
▲かるた遊びでひらがなの読み方学習
▲ある日の授業にて(福笑い体験)
ある日の授業にて(おりがみ体験)
折り紙で創作したイメージ画
▲ある日の授業にて(おりがみ体験) ▲折り紙で創作したイメージ画


在イタリア・チェルタルド市

甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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