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イタリア海外駐在員だより Vol.60

最終更新日:2020年05月21日

イタリア・チェルタルド市から海外駐在員の便りをお届けいたします

 

 甘楽町海外駐在員、イタリア・チェルタルド市在住の稲葉美代子さんからの便りをお届けいたします。

 第60回のお話は、再出発の一歩を踏み出したイタリアの現在の様子についてのお話です。 


画像:チェルタルドパノラマ 

再出発の一歩 ~深い傷を乗り越えて~

甘楽町の皆さま、ボンジョールノ !(こんにちは!)

向暑の候、若葉が初夏の日差しに眩しく輝き、生い茂る緑の草むらの中に咲く真紅のケシが目に留まる頃となりました。

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初夏の風景

今月5月、イタリアでは新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて3月から50日以上続いたロックダウンが事実上解除され、制限措置の段階的緩和となり再出発の一歩を踏み出しました。

得体の知れないウイルスによる感染の大波に飲み込まれ、事態が急速に悪化していく中、その甚大な被害により受けた傷はあまりにも深く、一時不安と恐怖に包まれた日々が続きました。

しかしようやくその嵐が去った今、再感染波の襲来リスクは依然あるものの、社会生活再開の扉が開き、新たな日常生活を模索する道をゆっくり歩み始めました。

先日5月4日、実に2か月ぶりにテクアウトのみ許可されたバールサービスが再開され、待ちわびた一杯のバールエスプレッソを飲み、至福の喜びを心に感じた私であります。

イタリアでの生活において、大好きなこの一杯を飲むひと時は、それまで当たり前の日常のように感じていました。

しかしそれが突然消えたことで、その当たり前のありがたさを再認識しました。

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       二か月ぶりのバールエスプレッソ(1)       二か月ぶりのバールエスプレッソ(2)

そして、二週間後の5月18日から美容院、理髪店等の対人サービス業や飲食店、衣料品店等の営業が再開されました。まだ人の姿はまばらでも、長い間閉められていたシャッターが開き、お店に明かりが灯っているだけでも少し前向きな気持ちになれます。

「先行きが不安だけど、ようやくまた働けることに喜びを感じている」と話す店のオーナーの様子がテレビで紹介されました。長く続いたロックダウンによる経済活動のダメージを回復するのは苦難の道のりですが、

「Andra’ tutto bene = 大丈夫、きっとうまくいく」というキャッチフレーズをモットーに、

また以前のような活気が戻る日が来るよう願ってやみません。

 

五月の夕陽(チェルタルドアルト).jpg
五月の夕陽(チェルタルドアルト)

 

   在イタリア・チェルタルド市                 

                                       甘楽町海外駐在員 稲葉美代子

 

稲葉美代子さんプロフィール

 愛知県出身。
 日本で大学院修了後、1997年シエナ外国人大学に留学、チェルタルド市に住み始め、以来チェルタルド市に在住。
 イタリア人男性と結婚し、現在は娘さんと3人家族。
 2013年チェルタルド市国際文化交流推進協会設立当初より入会。
 チェルタルド市で日本語講座を開催するほか、甘楽町との姉妹都市交流に携わって来た。
 2014年チェルタルド市の使節団団員として来町。
 2015年6月、甘楽町海外駐在員に任命。
 2019年11月、甘楽町発足60周年特別表彰。

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